人的資本の取り組み
PPIHグループでは、人財を最大の経営資源と位置付け、企業理念集『源流』を基盤に、人の成長を起点とした人的資本経営を推進しています。従業員一人ひとりの自律的な成長を支援することを重視し、権限委譲のもと主体的に挑戦できる環境を整えています。失敗を許容する企業文化と実力主義のもと、人財の成長と企業の成長が連動する好循環を創出し、持続的な企業価値向上と社会への価値創出につなげていきます。
人財成長の考え方
当社グループでは、「育成」ではなく、部下に信じて任せる「成長支援」に徹することで、主体的に挑戦し成長する企業文化が根付いています。さらに、自分の代わりとなる人財を育てることを明文化することで、持続的な人財形成を実現しています。
人財の成長を支えているのが、「権限委譲」による「主権在現」を徹底する企業文化です。従業員は自ら考え、意思決定する機会を豊富に得ているほか、店舗においては「個店主義」のもと、地域やお客さまのニーズに応じた買い場づくりを現場主導で行うことで、経営視点や変化対応力を養っています。
このような多くの挑戦や意思決定の機会は失敗の経験も生みますが、失敗を許容する企業文化のもと、その経験や学びを次の挑戦へとつなげることで、人財の成長を後押ししています。
さらに、定量的な成果を評価する「実力主義」が浸透しており、上昇志向を持つ人財が競い合う土壌が組織全体に広がっています。
こうした「権限委譲」 「失敗への許容」 「実力主義」の3つを要とした企業風土のもと、売上・利益の成長を「人の成長の証」と捉え、人財と事業がともに成長する好循環を生み出しています。
PPIHグループ 人財成長目標
| 目標 ※1 | 進捗 (2026年6月期) |
|---|---|
| 源流一般試験合格率100% | 100% |
| 源流伝道士認定試験合格率50% | 43.4% |
| メイトのMDプランナーを毎年200名輩出 ※2 | 213人輩出 |
| 次世代幹部育成プログラムの推進 | 143人受講 |
- ※1指標・目標及び実績は、国内グループ会社を対象としています
- ※2メイトのMDプランナー輩出目標は、㈱ドン・キホーテ、㈱長崎屋及び㈱橘百貨店を対象としています
『源流』の実践を支える
制度・文化・取り組み
当社では、企業理念集『源流』の理解と実践を促進するため、研修や認定制度などさまざまな取り組みを実施しています。従業員一人ひとりが会社のめざす姿や価値観を理解し、自ら考え行動できる組織づくりにつなげています。
- 一定以上の職位・職責を担う管理職を対象に、「源流伝道士認定試験」を年2回実施
- 海外において源流浸透を推進する「グローバル源流伝道士」を輩出
- 国内外の従業員を対象に、「源流一般試験」を年2回実施
- 『源流』の理解を深め、実践に必要な知識習得を目的に、「源流解説研修」を月1回実施
- 『源流』親しみながら学ぶ機会として、かるたイベントを開催
- 世界中の従業員が共通の価値観を持って業務に従事できるよう、『源流』を複数言語(英語、中国語[簡体字・繁体字]、タイ語)に翻訳
- 新卒・中途入社者を対象に「源流研修」を実施
Double Impact 2035における人財戦略
新たな長期経営計画「Double Impact 2035」では、外部環境の変化やPPIHグループの成長機会に基づく経営戦略とともに、それを実現し成長を支える人財戦略についても打ち出しました。
- ・自らリスクを取る人財(自律的な挑戦)を企業として積極的に応援(支援・評価)していくことで、「尖った人財」で溢れる企業にする。
- ・新領域への挑戦を牽引するリーダー人財が生まれることで、多種多様なチャレンジができる数々の強いチームを創出する。
自律的な「手挙げ」を促進
- 権限委譲により、入社当初から意思決定を経験する場が、他社よりも圧倒的に多く存在。
- 年齢に関係なく「果敢な挑戦をしたい」と自らの意志(手挙げ)でキャリア開拓できる環境を構築。(全ポジションにエントリーできる社内公募制度の拡充など)
自律的な挑戦を促進するための応援
- 店舗等で培った経験と実行力で成長した人財が、自分の代わりとなる人財を見つけ、次の成長を目指す文化を促進するため、新しい知識・スキルを習得できる「成長機会」を提供する。
- 失敗を許容して数多くの自律的な挑戦を評価することで、抜擢や次なる挑戦を促進する。
イノベーションが生まれる土壌をつくる。
Double Impact 2035を支える人財ポートフォリオ
当社グループでは、長期経営計画「Double Impact 2035」で掲げる出店拡大、惣菜・食品の強化、新業態の創出などの成長戦略を実現するため、人財ポートフォリオを再設計しました。求める役割に応じて人財を4つに分類し、それぞれに必要な人財の確保・成長支援を計画的に進めることで、持続的な成長を支える人財基盤の強化を図っています。特に、現場の強さを競争優位の源泉とする当社グループでは、オペレーション人財を中核に位置付け、人財の成長支援・配置を進めています。
| 人財カテゴリー | 主な職種・ポジション | 人財カテゴリーの強化内容 |
|---|---|---|
| オペレーション人財 | MDプランナー※1、フロアスタッフなど |
|
| マネジメント人財 | 店長、支社長、ブロック長など |
|
| 専門人財 | 商品企画、技術職、語学・グローバル人財など |
|
| リーダー人財 | 役員、部門長など |
|
- ※1 店舗におけるMD(商品担当)の責任者
従業員の自律的な成長を支える仕組み
当社グループでは「教育」ではなく「成長支援」という考え方を重視しています。
従業員が自らの意志で手を挙げ、参加することのできる研修や社内コンテスト、公募制度などを通し、自律的な成長やキャリア形成を促す仕組みをとっています。また、新卒社員に対しても、1年次からキャリアアップにつながる研修機会を提供し、早期からのキャリア形成を支援しています。
主な取り組み
■自己啓発セミナー「キヅキスキルアップセミナー」の開催
全従業員を対象に、新たな知識・スキル習得につながる自己成長のためのWebセミナーを実施しています。従業員が講師を務め、毎月さまざまなテーマの講義を開催しています。
■公募制度による「先取り研修」
挑戦意欲のある人財が自信を持って手挙げできるよう、めざす職責を見据えた先取り研修を中心に成長プログラムを拡充しています。店長・ミリオンスター(支社長)など各レイヤーに応じた研修を通じて、必要な視点や知識・スキルを先行的に習得する機会を提供し、大胆な抜擢に備えた土台を形成します。主体的な学びと挑戦を支えることで、キャリア形成の可能性を広げています。
■社内公募サイト「公募.com」
従業員のキャリアアップや経験幅を広げることを後押しするため、現部署に1年以上在籍(または、現職責が1年以上継続)している一定の職位の従業員を対象に、さまざまなキャリアにチャレンジできる社内公募の仕組みを設けています。
■社内コンペティション「ディスプレイの鉄人」の実施
店舗の優秀人財発掘を目的に、限られた時間の中で陳列技術やスピード、マーケティング力を競うコンペティションを年1回実施しています。
正社員(34歳以下)だけでなく、契約社員やメイト(パート・アルバイト)も参加可能です。
■新規事業創出マインドの醸成に向けた「創造的破壊選手権」の実施
未来の成長エンジンとなる新規事業の創出を目的に、従業員であれば誰でも自由に応募できるビジネスアイデアコンテストを実施しています。挑戦者たちは自身のアイデアを応募し、複数回の選考を経て、最終的には経営陣に対して直接プレゼンし、勝敗を決めます。
最優秀賞に輝いた案は、実現に向けて予算建てをし、企画者はリーダーとしてプロジェクトを進行していきます。
■PPIH AWARDの実施
「オールPPIHで感謝を伝える場」をコンセプトとした年間表彰制度「PPIH AWARD」を実施しています。国や職種、職責、雇用形態を問わず、すべての従業員が表彰対象となる制度として設計しており、事業活動のさまざまな分野における功績や挑戦を称える複数の表彰カテゴリーを設けています。従業員同士が互いの活躍を認め合い、感謝と敬意を共有することで、挑戦を後押しする企業文化の醸成を推進しています。
次世代経営人財の輩出
当社グループでは、将来の事業成長を担う次世代経営人財の育成に注力しています。若手のうちから経営視点や組織運営に必要な知識・経験を蓄積できる機会を提供するとともに、自ら手を挙げて挑戦できる環境を整えることで、事業を牽引するリーダーの輩出をめざしています。
主な取り組み
■次世代幹部育成プログラムの実施
次世代経営人財の育成を目的として、2022年より中堅幹部を対象とした次世代幹部育成プログラムを実施しています。経営層としての知識や、組織運営における事業課題の解決に向けた実践的な学びを通じて、経営を担う人財の育成を進めています。
■「ミリオンスター制度」の推進
全国の店舗を商圏人口約100万人単位で支社に区分し、各商圏の経営を担う「ミリオンスター支社長制度」を導入しています。担当する地域ごとの特性やお客さまニーズに応じた戦略立案と店舗づくりを推進し、個店経営の高度化に取り組んでいます。
支社長は公募制としており、年齢や雇用区分を問わず応募できる仕組みとすることで、実力と成果に基づく登用と、個人・組織全体の成長意欲の創出を実現するとともに、新陳代謝を促しています。
■若手優秀人財に対する研修
若手の優秀人財の発掘・成長促進を目的に、若手社員と幹部社員が連携して営業課題に取り組むプロジェクトを実施しています。また、CEO・COOをはじめとする経営陣の業務や意思決定を間近で学ぶシャドーイングも実施しています。
意欲向上につながる人事制度
当社グループでは、年齢や経験年数ではなく、能力や成果、挑戦意欲を重視した人事制度を採用しています。一人ひとりの強みや可能性を最大限に引き出し、適材適所の配置や大胆な抜擢を行うことで、従業員の成長と組織の成長を実現しています。
実力主義と抜擢
職責別に求められる能力や要件を明確に定義し、年齢・性別・国籍などの個人属性を一切評価対象とせず、仕事の成果や能力を重視した実力主義の考え方を採用しています。成長度合いや発揮された成果に応じて大胆な抜擢を行うことで、従業員一人ひとりのモチベーション向上とさらなる挑戦を促しています。
また、適材適所の人員配置を徹底し、個々の強みを最大限に活かすことで、社員が自律的にキャリアを築きながら成長できる環境を整え、組織全体のパフォーマンス向上につなげています。
■タレントマネジメントシステム「タレクエ」
従業員の経験やスキル、キャリアを可視化し、適材適所の配置や戦略的な抜擢を支援する独自のタレントマネジメントシステム「タレクエ」を活用しています。また、役員や人事担当者が将来性を感じた人財を共有する「光るフラグ」機能を設けており、全国の店舗に埋もれた才能や成長が期待される人財の発掘を推進しています。これにより、若手人財の早期抜擢やリーダー候補の選定を支援し、実力主義のもとで一人ひとりの挑戦と成長を後押ししています。
人事評価制度
公正な評価を実現するため、全従業員を対象に半年ごとに上司との評価面談を実施しています。面談では、自身の目標や将来のキャリアに関する希望を上司と共有するとともに、目標の進捗、貢献度、成果について相互に確認します。評価結果は評価理由とともに本人へフィードバックし、次の成長につなげています。さらに、会社業績と個人評価に連動した賞与・昇給制度を導入し、成果を上げた従業員が正当に報われる仕組みとしています。
メイト活躍
当社グループでは、現在47,791人(注)のメイト(パート・アルバイト)の方が働いています。
商品の仕入れも売り方もそれぞれの店舗で決める「個店主義」を採用している当社グループでは、地域やお客さまの特徴を知り尽くし、消費者の代表ともいえるメイトこそが店舗運営の要です。メイトが楽しく、やりがいを持って働くことができる制度や環境整備を行うことで、一人ひとりが活躍し、お客さまに喜ばれ、地域で一番の店となることをめざしています。
- (注)2026年6月期における期中平均臨時雇用者数(1日8時間、1ヵ月22日換算)
メイト活躍を後押しする制度
- 店舗の営業成果に対し、雇用形態や労働時間に応じて半期に1度達成報酬を支給する「フォア・ザ・チーム賞」の導入
- 店舗における担当カテゴリーの責任や権限を持ち、半期に1度賞与が支給される「メイトのMDプランナー」の輩出(対象:ドン・キホーテ、長崎屋、橘百貨店)
- AIをはじめとしたDX化による店舗運営の効率化
- ミリオン支社長によるメイト座談会の定期開催
- 各店の新人メイトアドバイザーによる定着率の向上

