株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス

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人権・環境に配慮した
サプライチェーン・マネジメント

PPIHグループでは、事業に関わるすべての人々の人権問題や労働環境、安全衛生に関わる問題に対応し、サプライチェーン全体の環境負荷低減に取り組んでいくことは、小売業である当社グループにとって重要な課題の一つであり、またサプライチェーンにおける社会的責任を果たすことが、持続可能な社会の実現に貢献し、お取引先さまや当社グループの成長につながると考えています。
サステナビリティ委員会の下部組織であるサプライチェーン・マネジメント分科会が中心となり、お取引先さまとの強固なパートナーシップのもと、サプライチェーン全体で責任ある調達を進めていくため、経済産業省の発行した「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」や国際的なガイドラインなどに基づいた対応を進めています。

PPIHグループ サプライチェーン行動規範

当社グループは、人権問題や環境に配慮した商品調達に向けて、 2022年1月に「PPIHグループ サプライチェーン行動規範」を制定しました。
2023年11月には、国際的な指針や外部機関との協議、専門家のアドバイスを反映し、取締役会承認のもとサプライチェーンにおける労働環境(生活賃金の支払いや過度な時間外労働の禁止、削減など)や環境保護(再生可能エネルギーの導入や水を含む資源の有効活用、汚染の防止など)に関する項目の改訂を行いました。

PPIHグループ サプライチェーン行動規範(抜粋)

  • ❶
    人権の尊重
  • ❷
    労働環境、安全衛生の管理
  • ❸
    公正で透明な事業活動
  • ❹
    環境保護(水や資源の有効活用、廃棄物、汚染の予防)
  • ❺
    品質管理
  • ❻
    情報セキュリティ
  • ❼
    地域社会への貢献
  • ❽
    実践に向けた取り組み

PPIHグループ サプライチェーン行動規範は、2024年6月現在、6言語にて掲載しています。

主な対象地域
日本語 日本語
英語 海外共通
韓国語 韓国
簡体字 中国
繫体字 台湾、香港
タイ語 タイ

お取引先さまへのサプライチェーン行動規範の周知

■サプライチェーン行動規範と誓約書の配布・回収

サプライチェーンにおける人権尊重や環境配慮の取り組みの推進にご協力いただくため、PB/OEM商品を取り扱うお取引先さまには「PPIHグループ サステナブル調達方針」に賛同し、「PPIHグループ サプライチェーン行動規範」を遵守いただく旨の誓約書のご提出をお願いしています。また、PB/OEM商品の取り扱いを問わず、新規お取引さまにはお取引開始前に誓約書をご提出いただいています。
これまでに累計で約2,300社のお取引先さまに誓約書を提出いただきました(2026年6月末現在)。

■説明会の実施

PB/OEM商品の開発において、サプライチェーン全体で人権や環境に配慮した責任ある調達を共にすすめていくため、2022年には対象となるお取引先さまに対して対面及びオンライン形式で説明会を実施しました。説明会では、当社グループがサプライチェーン・マネジメントに取り組む目的や方針、人権や環境の内容を含む行動規範などについて説明しました。

説明会参加状況(2022年)

  • ・対象のお取引先さま数:740社
  • ・参加したお取引さま数:734社
  • ・参加率:99.2%
2022年に実施した説明会の様子
2022年に実施した説明会の様子
2022年に実施した説明会の様子

2022年に実施した説明会の様子

リスクアセスメントとモニタリングの実施

サプライチェーンにおける人権・環境リスクの特定や、サプライチェーン行動規範の推進状況を確認していくため、お取引先さまに対し、SAQ(自己評価質問票)や第三者監査を運用しています。SAQは当社のPB/OEM商品を製造委託するすべての工場を対象に、第三者監査はPB/OEM商品の製造委託先工場の中でも、取引規模の大きさや製造を委託する商品ジャンル、工場の所在国など、リスク管理の観点で特に重要であると判断した先を対象に実施しています。

PB/OEM商品の製造委託先工場への監査

SAQ(自己評価質問票)による評価

当社グループでは2022年6月からお取引先さま向けSAQ(自己評価質問票)を運用しています。現在は、新規・既存を問わず当社PB/OEM商品の製造を委託するお取引先さまを対象に行っています。お取引先さまから工場の状況を確認いただき、課題が発見された際には結果をフィードバックし、継続的に改善・是正をお願いしています。

このSAQは「ILO中核的労働基準」などを参考に作成したものです。これまで8カテゴリー45項目の質問で構成していましたが、リスク特定の深度を上げることを目的に、2024年7月期からは質問数を増やし、18カテゴリー全83項目を調査しています。人権・労働に関わる内容をより細分化すると共に、BCPなどサプライチェーンの強靭化につながる内容を追加しています。

アンケート項目と主な調査内容
(1)人権方針
・人権方針やガイドラインや人権推進に関する体制の有無
(2)児童労働
・児童労働を禁止する方針や規定、チェック機能の有無
(3)若年労働
・若年労働者の就労に関する方針や規定の有無
(4)強制労働
・労働者の権利に関する方針や規定の有無
・パスポートなどの身分証明書の提出が強要されておらず、移動の自由が確保されていること
・退職時は罰則やペナルティがなく、自由意思に基づいて退職できること
(5)非人道的扱い
・ハラスメントを含む非人道的な扱いを禁止するルールと是正や救済に関する体制
(6)賃金及び休日
・国や地域において定められた最低賃金を上回る給与の支払いを行っているかどうか
・従業員の賃金や休日に関するルールや管理体制
(7)差別
・採用、報酬、教育訓練、昇給・昇進、および懲罰や解雇において、性別や年齢、人種、宗教、性的指向などの要素で差別されないこと
(8)結社の自由
・団結権や結社の自由、団体交渉権を禁止、または阻害する行為を行っているかどうか
(9)安全衛生
・有害な化学物質とSDSの適切な運用
・労働災害などに対する適切な対策
(10)公正取引・倫理
・賄賂や違法な献金、優越的地位の濫用などの防止
・消費者に対する適切なマーケティング
(11)環境
・法規制などで指定された化学物質を適切に管理し、基準値を超えて使用していないこと
・GHG排出量、取水・排水量、廃棄物排出量などの集計や削減目標
・環境法令の遵守
(12)品質・安全性
・販売国・地域の法令で定める安全基準を満たしているかどうか
・品質マネジメントシステムの構築・運用の状況
(13)情報セキュリティ
・サイバーセキュリティ体制と個人情報を含む適切な情報管理
(14)社会貢献
・国際社会や地域社会の発展に貢献する活動を行っているかどうか
(15)共存共栄
・パーム油やカカオ、鉱物など、人権・環境リスクにつながる原材料における責任ある調達
(16)外部認証
・外部認証の取得状況について
(17)サプライチェーン・マネジメント
・環境・社会に配慮した調達を推進するための方針やガイドライン、体制の有無
(18)BCP
・BCPの策定の有無や運用体制

■セルフチェックアンケートの実施結果

期間 対象 配布工場 回答工場 回答率
第1回目SAQ 2022年6月~
2024年6月
PB/OEM商品の製造を委託する
全ての工場
2,603工場 2,603工場 100%
第2回目SAQ 2024年7月~
2024年12月
PB/OEM商品の製造委託先工場の内、
リスクの観点で重要と判断した工場
159工場 159工場
(国内96工場/
海外63工場)
100%

SAQの回答内容は、各項目の遵守状況やリスクの重大度で総合評価を行っています。
最も重要視している分野は児童労働、強制労働、差別の禁止、ハラスメントといった人権に関する分野です。
これまでの調査で、人権・労働及び安全衛生に関する重篤なリスク回答を確認した結果、重大リスク・インシデントにあたる工場はないことを確認しました(2024年12月時点)。
ただし、第2回目のSAQでは、児童労働や強制労働、差別を防ぐための方針やガイドラインを策定していない工場が57工場確認されました。お取引先さまが工場に対し改善を働きかけていただくことを目的に、結果はお取引先さまにも共有し、さらに人権への対応を強化いただくための研修の実施も計画しています。

■取り組みを強化いただきたいお取引先さまへの対応

リスク最小化に向け、 SAQで取り組みを強化いただきたい課題が発見されたお取引先さまに対して、リスクアセスメントとモニタリングのためフォローアップセミナーを実施しています。
経済産業省の策定した「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」などをもとに、企業に求められている対応の解説や、人権デュー・ディリジェンスの実践も含めた具体的な取り組みについてのアドバイスなどを行っています。

・2022年実施回数:12回
・2023年実施回数:8回

フォローアップセミナーで使用した資料の一部
フォローアップセミナーで使用した資料の一部

フォローアップセミナーで使用した資料の一部

第三者監査の実施

当社グループでは、 「情熱価格」をはじめとした当社のPB/OEM商品を製造している工場のうち、取引規模の大きさ、製造を委託する商品のジャンル、工場の所在国など、リスク管理の観点で特に重要であると判断した製造委託先工場へ、2024年6月期から第三者監査を進めています。

■第三者監査 実施の流れ

第三者監査は、事前に取引先を通して製造委託先工場に対して実施をお知らせした上で訪問し、現場・書類・データの確認と管理者や労働者へのインタビューによって、CSR監査項目の遵守状況を確認しています。労働者へのインタビューは、使用者からの指示や報復などを防ぐため、別室にて監査員のみの立ち合いで行います。監査時に工場から提出いただいた資料・画像については機密保持契約に基づき適切に管理補完し、外部へ流出することはございません。

第三者監査 実施工場数
25年6月期 26年6月期
監査工場数 国内 22 13
海外 17 39
合計 39 52

2025年6月期 第三者CSR監査 実施結果
A B C D
国内 2 16 2 2
海外 3 8 6 0
合計 5 24 8 2

2025年6月期には、国内外の39工場を対象に第三者CSR監査を実施しました。
上記の調査において、最重要とする人権・労働に関する重篤なリスクを確認した結果、重大リスク・インシデントにあたる工場はないことを確認しました。しかしながら、特に安全衛生面における指摘が多くの工場で見られたほか、「D評価」となった工場では、消防設備の不備や労務管理といった分野での課題も見つかっています。
これらの指摘事項は対象の工場にお伝えするほか、お取引先さまにも評価を含めて共有し、具体的なアドバイスや勉強会を通し、指摘事項に対する改善を促しています。
さらに、2025年6月期の第三者監査で「C」や「D」となった工場に対しては、2026年6月期において再監査を実施します。

≪改善に向けた取り組みのステップ≫

  • ❶監査報告の実施
  • ❷課題の共有
  • ❸改善に向けた取り組み内容の協議・確認
  • ❹面談を実施し進捗を確認

今後は規模を拡大し、さらに多くのPB/OEM商品製造委託先工場に対して第三者監査を実施する予定です。

サプライチェーン・マネジメントに関わる
その他の取り組み

救済措置のためのホットラインを設置

当社グループでは、お取引先さまを利用対象とした通報窓口を設けています。通報窓口の情報は、商談ルームへのポスター掲出や窓口情報が掲載された冊子を契約時に配布するなどの方法を通し、制度の周知に努めています。
社内および社外(第三者の弁護士事務所)の通報窓口を連絡先とし、相談・通報者のプライバシーを厳守し、匿名での相談・通報も可能です。また、相談によってお取引先さまが不利益を被ることがないよう定めています。
ホットラインへ寄せられたお取引先さまの声を真摯に受け止め、調査を実施した上で、問題の解決を図っています。

救済措置のためのホットラインのポスター

社内教育

当社グループでは、サステナビリティ委員会のサプライチェーン・マネジメント分科会が中心となり、PB/OEM商品の開発に携わる担当者に対して研修を実施しています。研修では国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」や経済産業省が発行した「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」をベースに、当社グループの調達方針やサプライチェーンにおける人権・環境リスク、実際の事例などを説明しました。2024年4月に実施した研修では、376名が参加しました。

社内研修で使用した資料の一部
社内研修で使用した資料の一部

社内研修で使用した資料の一部

また、毎月実施する従業員向けのコンプライアンス研修では、年に1回程度独占禁止法や優越的地位の濫用に関するテーマを扱っており、お取引先さまとの取引を通じて人権に負の影響を助長することがないよう努めています。

サプライチェーンに関わるイニシアティブへの賛同、
外部団体との連携

■社会分野

パートナーシップ構築宣言

パートナーシップ構築宣言ロゴ画像

「パートナーシップ構築宣言」は、経団連会長、日商会頭、連合会長及び関係大臣をメンバーとする「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」において創設されました。
サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築することを宣言するもので、当社では人権・環境に配慮した商品調達や、取引先の過度な時間外労働を防止するための取り組みなどを宣言しています。
当社の宣言内容

一般社団ザ・グローバル・アライアンス・フォー・サステイナブル・サプライチェーン

一般社団ザ・グローバル・アライアンス・フォー・サステイナブル・サプライチェーンのロゴ画像

企業と協同し、サプライチェーン上の課題解決に取り組むNGO(非政府組織)。
当社においては、サプライチェーン上の人権リスクの特定・是正を含む人権デュー・ディリジェンスの実施プロセスの実効性向上を目的として、2025年より連携しています。

■環境分野

日本気候リーダーズ・パートナーシップ(Japan Climate Leaders Partnership : JCLP)

JCLP

持続可能な脱炭素社会の実現には産業界が健全な危機感を持ち、積極的な行動を開始すべきであるという趣旨に賛同し、参画しています。サプライチェーン全体での脱炭素化をテーマとした勉強会も実施されています。