株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス

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創業者紹介

創業者メッセージ

創業者「安田 隆夫」(創業会長 兼 最高顧問)
創業者
安田 隆夫(創業会長 兼 最高顧問)

「日本の食」は我が国における第二の自動車産業になり得る

現在のわが国は、歴史的とも言える円安局面となっており、諸般の情勢からも、しばらくはこの超円安状態が継続するものと見られております。
言うまでもなく急激な円安は、原材料や輸入物価の高騰を招き、わが国の多くの産業や市場にとって、大きなネガティブ要因となります。それに対して当社は、そんな円安を逆にメリットに転化できる優位性を有した、数少ない企業グループであると自負いたしております。
その第一は、当社が得意とするインバウンドのブーム再来です。2022年10月には訪日外国人客の受入れ規制緩和が実施され、また将来、中国のゼロコロナ政策の解除も期待されます。このように規制緩和や解除が進めば、ビフォーコロナをしのぐ、爆発的なインバウンドブームに沸くのはほぼ確実であり、もちろん円安はその強い追い風になります。
一方、日本産の食材輸出も、当然、円安効果をストレートに享受できる部門です。周知のように、日本の農林水産物と食品の輸出額は、2021年、1兆円を突破いたしました。品質の良さと美味しさが、海外で非常に高く評価されております。

政府は2030年に、それを5兆円に引き上げる計画を掲げておりますが、(海外への)日本産品の販売業者としての実感から言えば、中・長期的には少なくともその数倍のポテンシャルを、日本食材は秘めていると思います。そういう意味から日本の食は、わが国における第二の自動車産業にさえなり得るのではないでしょうか。
結論から申し上げますが、私どもPPIHグループは、海外でその日本食材を提案し、拡販するメインプレイヤーとしてのポジションとインフラを、他に先がけて確立しつつあります。

海外事業初の完全オリジナル業態開発

当社の海外事業進出は、2006年の米国・ハワイのダイエー3店舗の買収を皮切りに、その後、日系スーパーの「マルカイ」や、ハワイのローカルチェーン「QSI」、カリフォルニアの高級スーパー「ゲルソンズ」など、現地SM企業のM&Aを主体にした海外店舗開発を進めてまいりました。
一方、2017年12月、シンガポール一の繁華街・オーチャード通りに出店した「DON DON DONKI」は、海外初となるゼロからの完全オリジナル業態であり、私自身にとっても、日本のドン・キホーテに次いで「第二創業」ともなる、記念すべき第1号店です。
この店は、当社自らが直接貿易を行うことでコストを下げ、食品を主体に日本産品を専門に扱う「ジャパンブランド・スペシャリティストア」として価格破壊を行い、開業当初から超繁盛店として、地元メディアやSNS等で大いに話題となりました。

新たな市場を創造する第三の業態「物販飲食」

さらに注目して頂きたいのが、このDON DON DONKIをインキュベーター、すなわち孵化器として、その派生とも言える新たな独自業態が続々と生まれ、いずれも大繁盛して、先ほど申し上げた日本食材の拡販に一役も二役も買っていることです。
たとえば2021年10月に香港に1号店を出し、地元で大人気店となっている「鮮選寿司」が挙げられます。同店はすでに香港で3店舗(2022年6月30日現在)を構え、今後、海外各国で急速な多店舗化を図ってまいります。
香港では日本食レストランや和食店が非常に充実しており、もちろん名だたる日本の回転寿司チェーン等もすでに進出していて、この業界における競合の厳しさは、ある意味日本以上といった状況です。
そうした中で、飲食門外漢のDON DON DONKIがプロデュースした「鮮選寿司」が、なぜこうも、現地のお客さまから高い人気と支持を集めるのでしょうか。
もちろん、日本産の本物を選りすぐったネタとシャリによる美味しい寿司を、リーズナブルな価格で楽しめるというのが最大の理由です。では、ここが肝心かなめのポイントなのですが、そもそもなぜ、「鮮選寿司」ではそれが可能になるのでしょうか。
その答えは、DON DON DONKIという物販チェーンのインフラと、それを支えるグローバルなサプライチェーン網が、すでにしっかりと構築されているからに他なりません。
私どもにとっては、パックに入れて惣菜コーナーで売る寿司と、お皿に盛りつけてお客さまにお出しする寿司は、最後の工程とオペレーションが少々異なるだけで、ほぼ同じことを行なっているわけです。
その結果として「鮮選寿司」は、単なる物販でも飲食でもない「物販飲食」という第三の業態として新たな市場を創造するという、まさに私どもにしかできない流通革命を引き起こしたと言えるのではないでしょうか。

「クリエイティブジャンプ」という概念の最重視

もう一つ、DON DON DONKIから派生した新業態例を挙げておきましょう。2021年11月シンガポールに開業した「冨田精米」と、2022年6月に香港に開業した「安田精米」という、全く新しいコンセプトでおにぎりを売る、これも話題の繁盛店です。
ほとんどの海外のお客さまは、単に店を見るだけでは、日本のお米の良さや実際の美味しさが分かりません。そこでこの精米店では、その美味しさを実体験してもらおうと、おにぎりを販売したところ、「これは何だ」と多くのお客さまの目に留まり、たちまち人気ショップと化しました。
もちろん、私どもがこの店で最終的に支持いただきたいのは、精米したお米そのものです。そのためにも、一人でも多くのお客さまに、おにぎりで日本の米の味を知っていただこうと思っております。
海外でも日本のおにぎりを売る店はたくさんありますが、精米機能を有して米そのものと併売する「おにぎり屋」は世界初ではないでしょうか。
いわばその美味しさのWhyとBecauseを提示しながら売るというコト志向の業態創造が、想定以上に支持されたというわけで、これも単なる物販でも飲食でもない、「第三の業態」と言えましょう。
すなわち、その入り口(エントランス)が、できたての美味しいおにぎりを食べていただく飲食業態、そして出口(エグジット)が、日本の本物のお米を買っていただく物販業態と位置づけられ、これは世界のどこにもない、ハイブリッド型の、いわばボーダーレス業態と呼べるのではないでしょうか。

私どもは、単に日本の産品を海外に持って行くだけで現地のお客さまに支持されるなどとは、露ほども考えておりません。その裏側に、お客さまから支持されるための独自提案や工夫、説明、さらにはイノベーションなどがあって初めて爆発的な支持を得るものと常日頃から認識して商売をしており、それによる新たな業態創造を、私どもは「クリエイティブジャンプ」と称して最重視しているわけです。

「日本の食の伝道士」としてアメリカ・環太平洋エリア全域に拡大

日本の高品質な食材の素晴らしさと、美味しさそのものを同時に売ることができる、こうした新業態の開発は、何もお米だけではなく、日本の様々な食素材で応用が可能です。
たとえばマレーシアのDON DON DONKIでは、和牛を串に刺してその場で食べていただく一角に、常に長蛇の列ができており、大きな支持を得ております。
先ほど触れた「鮮選寿司」のケースもそうですが、この和牛串のテイクアウト販売のヒットと定着は、DON DON DONKI本来の和牛物販による廃棄ロスの削減と、その結果としての鮮度維持・価格維持という好循環に直結いたします。
いわば、お客さま、私どもの店、日本の生産者・流通業者様、さらには社会と国家がオールハッピーになるWINWINのビジネスとも言え、私どもは「日本の食の伝道士」として、今後、これをアセアンに留まらず、アメリカと環太平洋エリア全域に広めてまいる所存です。

お客さま並びにパートナーさまはもちろんのこと、全てのステークホルダーの皆さまにおかれましては、これまで同様、変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。


安田 隆夫(やすだ たかお)

1949年岐阜県生まれ。1973年慶應義塾大学法学部卒業。

1978年、東京・杉並区に個人営業にて18坪のディスカウントショップを開店して成功を収めるが、5年で同店を売却し現金問屋を運営。これも大きな利益を上げるが、小売業への再参入を決意し、1989年に「ドン・キホーテ」1号店を東京・府中市に開店、株式会社ドン・キホーテ(現株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、以下PPIH)の代表取締役社長として全国展開の指揮を執り、2005年に同社代表取締役会長兼CEOに就任。

PPIHは幾多の試練を乗り越えながら急成長を続け、1996年に株式店頭公開、2000年に東証1部上場。「ドン・キホーテ」1号店開店以来33期連続増収増益を達成。2022年6月期の年商は1兆8,313億円、国内外の総店舗数は699店。

2015年6月にPPIHの代表取締役会長兼CEOを退任し、創業会長兼最高顧問に就任するとともに拠点をシンガポールへ移して、Pan Pacific Retail Management(Asia)Pte. Ltd. の会長兼社長兼CEOとして日本産品専門のコンセプトショップ「DON DON DONKI」を創業。

2022年6月末日現在、同業態をアジア6カ国・地域に30店舗展開しており、いずれも地元の超人気店として成功を収めている。

なお、2005年に公益財団法人・安田奨学財団を設立。同財団理事長として、国際的人材の育成と、海外諸国との友好・親善事業にも幅広く取り組んでいる。

私たちの原点

PPIHグループの創業者である安田隆夫は、誰よりも情熱を持って商売を追求し、常に顧客最優先主義を徹底しながら、「他の大手小売企業の真似は絶対にしない」という、独自の逆張り発想を貫き通しました。そうした創業の精神が次の世代へ営々と継承され、現在のPPIHグループがあります。

創業の精神

泥棒市場

当社グループの前身は、安田が1978年に東京都杉並区に開店した18坪の雑貨店「泥棒市場」です。小売業における経験もノウハウもネットワークもないような状態からスタートしました。コンビニエンスストアが深夜11時までの営業だった当時、深夜12時まで営業する、おもちゃ箱をひっくり返したようなこの雑貨店は評判となり、たちまち年商2億円を売り上げる繁盛店となりました。そのノウハウを引き継いだドン・キホーテ1号店が1989年3月に開業し、それを皮切りに、グループの規模はさらに拡大。創業当時から常識に捉われない発想で革新を起こし続け、そのDNAは現在も脈々と受け継がれています。

ナイトマーケット需要の発見・独特なお買い物空間の創造・信じて頼む「権限委譲」の開始

「DON DON DONKI」誕生秘話

DON DON DONKI

当社グループが海外進出に挑戦すると決めたとき、安田は「日本と同じドンキを作っても意味がない」と感じていました。そこで目をつけたのが日本の食品です。シンガポールでは、現地の人に人気の高い日本の食品が、日本の2倍から4倍くらいの値で売られていました。現地ではこれを(中間の流通業者が潤う)「ハーモニープライス」と呼んで、当たり前のこととして捉えられていたのです。安田は「こんなにお客さまを軽視した話はない」と憤ったそうです。当社の企業原理である「顧客最優先主義」とは、まさに真逆の状態だったからです。

また、これを解決することは、日本の食品を生産する人たちを支援することにもつながります。何よりも、日本企業の駐在員等の家族のみならず、シンガポールの消費者たちにも喜ばれ、結果として日本のイメージはさらに向上します。安田は、これは長年リテールのキャリアを積んできた自分だからこそできる社会貢献であり、天命、天職ではないかと直感しました。

当社グループは、商圏に合わせてすべての政策を変える「商圏第一主義」を徹底しています。また、「過去の成功体験にこだわらない創造的破壊」を最重視しています。そうしたことも踏まえて業態を組み立てると、国内の当社店舗とは全く異なり、工業製品をほとんど置かない、食品メインの商品構成となりました。
 こうして現地の人々に愛される「DON DON DONKI」が誕生いたしました。

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